暗号通貨勉強会:BitGoのWBTCカストディ問題など

暗号通貨勉強会:BitGoのWBTCカストディ問題など
Photo by Brian J. Tromp on Unsplash

  • BitGoがWBTC発行のためのBitcoinのマルチシグウォレットの鍵のホルダーを3分割。従来は3つのキーの全てをBitGoが管理していたが、そのうち二つを香港ベースのBiT Globalに渡すとしていた。しかしコミュニティから新しいエンティティのBiT GlobalがWBTCを動かせるようになる2つのキーを管理することへの反発がおき、最終的にBitGo SingaporeとBiT Global、BitGoがそれぞれ1つずつキーを管理することになった。BiT Globalは悪名高いTron創業者のJustin Sunも出資しており、これでWBTCのリスクが高まったと考えられ、MakerDAOはWBTCを外す提案をしている
  • Coinbaseが「cbBTC」「coming soon」というツイートをしたことでCoinbaseがラップドBTCを発行するのではないかと噂される。現在BitGoのWBTCは154,000、約$9B相当がEthereum上で流通している
  • Swellがリキッドステーキング用のswBTCをローンチ。swBTCにより、ビットコインホルダーがEthereum上のイールドを得ることができる様になる
  • プレディクションマーケットのPolymarketがPerplexity AIとパートナーシップを組み、ニュースサマリーをユーザに提供する予定
  • リステーキングのEigenLayerが、EigenLayer上で稼働するアプリがエアドロップする際に、EigenLayer Labsの従業員にエアドロップをする様に、従業員のウォレットリストを渡すなどして暗に請求していたとされ、従業員は一人当たり$13,000相当のエアドロップを受けていたことが判明
  • 倒産したCelsiusがTetherを訴訟。Tetherが、Celciusが担保に入れていたビットコインを市場価格より安い値段でリクイデートしたとして担保分の39,542ビットコインの返還を要求するもの。現在価格で約$2.4B相当となる
  • FTXが米商品先物取引委員会と和解、これを受けてFTXは債権者に総計$12.7Bを配分することになった。FTXユーザは8月16日までに支払い方法を指定する必要がある
  • Genesisが$4Bを債権者に返還することとなり、債権者は平均して64%を受け取ることとなった
  • GrayscaleがMakerDAOのガバナンストークン、MKRへの投資トラストを立ち上げ。適格投資家のみが購入できる。これ以外にも過去3ヶ月でNear, Stacks, Bittensor, Suiの4種類のシングルトークントラストを組成している
  • Solana上でミームコインを発行するプラットフォームのPump.Funが1日あたりのフィーで$5.3Mを記録、EthereumやSolanaを超えた。これは、$2のトークン発行フィーの課金をやめたせいで、3時間で10,000以上のトークンがミントされた
  • Goldman SachsがBitcoin ETFを$418M相当、Morgan Stanleyは$188M相当保有していることを発表
  • Kamala Harrisの経済アドバイザーと予想されている人がアンチクリプト系で、Harrisの当選確率が上がっていることから暗号通貨価格が下がっているのではないかと噂される
  • トランプがTelegram上にThe Defiant Onesというチャンネルを開始、暗号通貨プロジェクトのアップデートを提供。トランプは「デジタル不動産」のプロジェクトを開始する可能性があるとしている
  • 匿名のユーザが$2200相当のEtherを送るのにガス代$88,000を支払ってしまったことが判明
  • Ronin BridgeがホワイトハッカーのMEV ボットに$11.8Mを取られ、$500,000の懸賞金を支払い残りは返還
  • TONブロックチェーンがTelegramのユーザの20%はHamster Kombatなどのクリプトゲームを利用していると発表
  • 2021年創業でDeFiプラットフォームにリスク管理を提供するChaos LabsがシリーズAで$55M調達。Chaos Labsのダッシュボード上にはリアルタイムのオラクルデータや、リスクアラートが表示され、市場価格が変動した際に担保必要額やリクイデーション比率などの変更を自動化できる。現状ではマーケットが変動してから変更までに72時間から96時間かかる
  • Intent-centricなEthereum レイヤー2のEssentialが$11M調達。Intent-centricでは、DEXを統合し最適な経路での取引を提供。Essentialを使うことで、どこでどう売るかを指定するのではなく、「XドルでY通貨を購入したい」といったintentを設定することができる。Intent-centricサービスはすでに複数提供されており、Anoma、CoW Swap、UniswapX等がある

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ブロックチェーン技術(初級編Ⅱ)

ブロックチェーン技術(初級編Ⅱ)

1.ブロックチェーン業界の現状 現在2021年時点で、Ethererumが爆発的に認知度が高まり、同時にNFTブームを巻き起こしています。日々ニュースやSNSでNFTやDeFiについて、目にしない日はありません。コロナ禍における新たな経済圏としても注目を集めています。そんなブロックチェーンの業界の現状についてみていきましょう。 [決済特化系(目的特化系)について] 基軸通貨としてはBitcoinが1強状態である。理解が進み、Bitcoinが主要な金融人からもその価値を認められつつある。主要なヘッジファンドや年金基金がドルインフレヘッジ手段として投資を開始し、価格が高騰。目的用途以外に利用できない。 [ブロックチェーン インフラ系について] Ethereumがほぼ1強状態である。DeFi(分散金融)が2020年は非常に盛り上がり、2021年にはNFTが爆発的な人気に。インターネットとWebと親和性が特に高く、分散型取引所やゲーム内通貨を想定したマーケットプレースなどの実装も進む。ただし、速度問題が重くのしかかり、手数料も高騰。ゆえにEnterpriseの実装も進まない。 [専用シ

By G.U.Staff
ブロックチェーン技術(初級編I)

ブロックチェーン技術(初級編I)

1.ブロックチェーンとは? ブロックチェーン(Blockchain)とは、暗号技術を使ってリンクされたブロックと呼ばれるレコードの増大するリストである。各ブロックには、前のブロックの暗号化ハッシュ 、タイムスタンプ、トランザクションデータ(一般的にはマークルツリーで表される)が含まれている。(Wikipediaより) 簡単に言えば、信頼できない人が多少紛れ込んでいても、 改ざんすることが難しい、分散共有データベースです。ブロックチェーンを利用すると、今までコストや組織間調整の負荷のために難しかったデータやビジネスロジックの共有が、より安価に、かつ簡単にできるようになります。 近年のウェブとインターネットの飛躍的な発展における情報革命によって、人々のコミュニケーション能力、情報収集能力は有史以来飛躍的に向上しました。 しかしながら、インターネットの機能はまだまだ不完全であり、特に認証、決済、信頼担保等の点において大きな技術的欠陥を抱え、フェイクニュースや詐欺などが横行しています。 そのような中、2007年にSatoshi Nakamotoが発明したとされるBitcoinが登場し、

By G.U.Staff
暗号通貨勉強会:最近の各種ハックなど

暗号通貨勉強会:最近の各種ハックなど

* 20歳のシンガポール人のLamがアメリカ人から$230M相当のビットコインを騙し取り逮捕された。Googleを装い「アカウントがハックされた」と電話して被害者にセキュリティコードを提供させ、GmailとOneDriveで暗号通貨の情報を探しGeminiの口座があることを発見。Geminiのセキュリティチームのふりをして口座がハックされたと電話、被害者に$3Mを送らせる。さらにリモートデスクトップソフトウェアをダウンロードさせ、4100BTCがあるアドレスのプライベートキーを表示させてBTCを騙し取った。共犯者がVPNを使わずにTradeOgreのアカウントを作ったことから住居が判明、そこから足がついた。Lamは31台の高級車を購入、家賃が月々$68,000するような高級住宅を複数賃貸、さらにナイトクラブで一晩に$500,000使うなどしていた * テレビのドキュメンタリー、Money Electric:The Bitcoin Mysteryで、ビットコイン初期開発者のカナダ人Peter Toddがサトシナカモトである、とし、Peter Toddはこれを強く否定するが、殺人・誘拐

By Chika Watanabe