ブロックチェーン技術(初級編I)

ブロックチェーン技術(初級編I)

1.ブロックチェーンとは?

ブロックチェーン(Blockchain)とは、暗号技術を使ってリンクされたブロックと呼ばれるレコードの増大するリストである。各ブロックには、前のブロックの暗号化ハッシュ 、タイムスタンプ、トランザクションデータ(一般的にはマークルツリーで表される)が含まれている。(Wikipediaより)

簡単に言えば、信頼できない人が多少紛れ込んでいても、 改ざんすることが難しい、分散共有データベースです。ブロックチェーンを利用すると、今までコストや組織間調整の負荷のために難しかったデータやビジネスロジックの共有が、より安価に、かつ簡単にできるようになります。

近年のウェブとインターネットの飛躍的な発展における情報革命によって、人々のコミュニケーション能力、情報収集能力は有史以来飛躍的に向上しました。
しかしながら、インターネットの機能はまだまだ不完全であり、特に認証、決済、信頼担保等の点において大きな技術的欠陥を抱え、フェイクニュースや詐欺などが横行しています。

そのような中、2007年にSatoshi Nakamotoが発明したとされるBitcoinが登場し、その基礎技術となるブロックチェーンに注目が集まりました。ブロックチェーンは現在のウェブとインターネットに足りない機能を補うとともに、さまざまな問題を解決する技術とされ、金融と情報の融合した未来のデジタル社会に向けた新しい扉を開こうとしております。

今はブロックチェーンの黎明期です。NFTやDeFi等が盛り上がりを見せていますが、それはブロックチェーンの一部でしかありません。ブロックチェーンは、インターネット依頼の革新的な技術であることは間違いありません。ブロックチェーンが生活や社会に必要不可欠になる日は、もうすぐそこです。

2.ブロックチェーンのユースケース

既存データベースやシステムとの大きな違いは、いずれ下記ユースケースを「誰もが・ 簡単に・安全」に作成できるようになることです。
基本ロジックはオープンソース化され、ツールは無料になり、データベースの管理とロジックは「主に他者との共同ネットワーク」において都度課金で実行されるため、ユースケースの開発・運用費は劇的に安くなるでしょう。
下記見ていただければわかる通り、ブロックチェーンはフィンテック領域だけではなく、社会のあらゆる分野において、必須な技術です。決済に留まらず、選挙から物流、不動産や各種証明まで社会全般をカバーしうる可能性を秘めています。今はまだどのユースケースも開発途上段階ではありますが、近い将来あなたの身の回りのこともブロックチェーンに置き換わり、より便利に安全に生活できる日がきます。

[ユースケース概要]

• 通貨作成,送金,決済
• ライセンス,権利の管理と移転
• 利益自動分配 ,民主的な投票システム
• デジタル証券、債権の作成と管理
• ロジスティクス,サプライチェーン管理
• 不動産などの実物資産のトークン化
ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査

[ユースケース事例]

・NFTの基盤構築
・ステーブルコイン(企業独自のポイントや社内ポイントの発行管理)
・監査性が必要なシステムの構築
・各企業間の独自の送金システム構築
・DeFi(分散金融)の基盤構築
・デジタルライセンス管理システム構築
・エンターテイメント業界におけるアートや作品の売買管理
・音楽著作権管理の透明性向上システム構築
・不動産の売買管理のプラットフォーム化
・地方発地域通貨の発行管理
・原材料調達や食の信頼向上のためのトレーサビリティ管理
・医療,健康データの共有や保管管理
・災害時の情報共有インフラの構築
・各種支援金や寄付金の管理や配布
5Gが促すデジタル変革と新たな日常の構築(総務省)

3.ブロックチェーンの種類

[決済特化系(目的特化系): Bitcoin ]

決済にのみ利用可能で、正確にはブロックチェーンのユースケースの一つ。法定通貨とペッグしたコインが次の注目先で、中国はすでに国家ステーブルコインを発行している。類似系:Ripple,Litecoin,Monacoin等

[ブロックチェーンインフラ系 : Etheruem ]

プログラムを実行できる。パブリックネットが存在し、インターネットやWebと親和性が非常に高い。簡単にインフラとして利用可能だが、スケーラビリティに課題がある。 類似系:Sorana,Polkadot,EOS等

[専用システム構築用特化系 : HyperLedger Fablic ]

ブロックチェーンを利用したカスタマイズされた分散共有データベースを作れる。自由度が高い反面設計は複雑になる。インターネットやWebとの親和性は低い。 類似系:Corda,Quorum等

日々、ブロックチェーンは進化し続けています。今、インターネットが当たり前の世界ですが、ブロックチェーンも将来インターネットと同様に、私たちの生活や社会にとって必要不可欠な時代が必ず訪れるでしょう。今からブロックチェーンを学び、活用することで、近い将来に活かすことができることを願っております。

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ブロックチェーン技術(初級編Ⅱ)

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1.ブロックチェーン業界の現状 現在2021年時点で、Ethererumが爆発的に認知度が高まり、同時にNFTブームを巻き起こしています。日々ニュースやSNSでNFTやDeFiについて、目にしない日はありません。コロナ禍における新たな経済圏としても注目を集めています。そんなブロックチェーンの業界の現状についてみていきましょう。 [決済特化系(目的特化系)について] 基軸通貨としてはBitcoinが1強状態である。理解が進み、Bitcoinが主要な金融人からもその価値を認められつつある。主要なヘッジファンドや年金基金がドルインフレヘッジ手段として投資を開始し、価格が高騰。目的用途以外に利用できない。 [ブロックチェーン インフラ系について] Ethereumがほぼ1強状態である。DeFi(分散金融)が2020年は非常に盛り上がり、2021年にはNFTが爆発的な人気に。インターネットとWebと親和性が特に高く、分散型取引所やゲーム内通貨を想定したマーケットプレースなどの実装も進む。ただし、速度問題が重くのしかかり、手数料も高騰。ゆえにEnterpriseの実装も進まない。 [専用シ

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