ブロックチェーン技術(初級編Ⅱ)

ブロックチェーン技術(初級編Ⅱ)

1.ブロックチェーン業界の現状

現在2021年時点で、Ethererumが爆発的に認知度が高まり、同時にNFTブームを巻き起こしています。日々ニュースやSNSでNFTやDeFiについて、目にしない日はありません。コロナ禍における新たな経済圏としても注目を集めています。そんなブロックチェーンの業界の現状についてみていきましょう。

[決済特化系(目的特化系)について]
基軸通貨としてはBitcoinが1強状態である。理解が進み、Bitcoinが主要な金融人からもその価値を認められつつある。主要なヘッジファンドや年金基金がドルインフレヘッジ手段として投資を開始し、価格が高騰。目的用途以外に利用できない。

[ブロックチェーン インフラ系について]
Ethereumがほぼ1強状態である。DeFi(分散金融)が2020年は非常に盛り上がり、2021年にはNFTが爆発的な人気に。インターネットとWebと親和性が特に高く、分散型取引所やゲーム内通貨を想定したマーケットプレースなどの実装も進む。ただし、速度問題が重くのしかかり、手数料も高騰。ゆえにEnterpriseの実装も進まない。

[専用システム構築 用特化型について]
富士通、IBM、アクセンチュア、NTT Data、日立などのトップSIベンダーがEnterpriseのユースケースを中心に各種PoAが進む。しかし自由度が高い反面複雑な設計が必要、かつツールの互換性や広大なエンジニアコミュニティもないため、各ツールを別個に開発する必要があり、大規模なシステム開発となり開発費や運用費は高騰。結局ブロックチェーンの良さを活かしきれず、現実的に稼働できたシステムはまだほとんど存在しない。

それぞれのブロックチェーン種類により、メリット・デメリットがある。一方で、一般的に従来型の決済以外で流通しているブロックチェーンはEtheruemがメイン技術となりつつある。昨今のNFTやDeFiに関しては、Etheruem上で運用されていると言って間違いはない。

2.Etheruemとは?

Ethereumは、世界最大のブロックチェーン関連コミュニティに支えられた、世界最大のブロックチェーンインフラです。メインネットワークは世界中で数万を超えるノードに支えられており、高度な分散性を持っているため、世界的な分散性・監査性が求められるシステムでの利用に最適となっております。

一方、現在のEthereumメインネットでは、ブロックチェーンのトリレンマ問題(ブロックチェーンにおいては、分散化、スケーラビリティ、セキュリティを同時に解決することは難しいという問題)により、すべてのデータが公開されるブロックチェーンの性質上、匿名化が難しくプライバシー上の懸念があり、取引速度も遅く、手数料も非常に高価になるという問題が生じています。

新たなブロックチェーンを利用したシステムを構築しようとした場合、上記のような速度や不安定なシステム利用料が問題になるケースや、これから構築しようとしているシステムに世界規模の監査性や高度な相互運用性が特に必要がない場合は、Ethereumネットワーク互換のプライベート、もしくはコンソーシアムネットワークと呼ばれる複数組織で運営する独自のブロックチェーンを立ち上げる事で、メインネットの速度問題や手数料高騰問題の影響を避けつつ、システムを構築することができます。

今後は、Etheruemがブロックチェーンのメインになることが予測される。まだ現状では、課題は散見されているが、Etheruemの可能性は無限大と現状ではいえる。次に、現状Etheruemが抱える課題についてもみてみましょう。

3.Etheruemネットワークが抱える課題

Ethereumは非常に有望なブロックチェーン候補ですが、 まだ発展途上の為様々な問題点を抱えています。以下は、一例ではありますが、現状の課題をサマリしてみました。

[最近の動向]
• Bitcoinについで時価総額2位、インフラブロックチェーンとしてはほぼ一強である。
• 分散金融(DeFi)が非常に盛り上がり、様々なプロトコルがオープンに発明されている。
• 各種法定通貨ペッグステーブルコインが普及開始、GMOが初めて日本円ペッグコインを米国で発行。
• NFTが大きな盛り上がりを見せ、ラップされた債権や株式も登場。
• Ethereumコミュニティは拡大を続け、既に1000万人規模の利用者、数十万人規模のエンジニアが存在。

[現状における問題点]
• パブリックチェーンのトランザクションスピードは遅く(15tps)、特にEnterpriseでは使い物にならない
• 上記解消を目指したEthereum2のラウンチは遅れに遅れ、たとえ完成しても問題解決にはならない
• 人気により手数料が高騰したときには、高くて使い物にならない(時には1円の送金に10万円超え
• 関連ツールが全く足りていない
• アマチュアが多く、ビジネス利用の知見がある企業が少ない

インターネットの黎明期を思い出してください。あの頃も全てが今のように最初からうまくいっていた訳ではありません。技術の発展とともに、Etheruemも現状の課題に対して乗り越えていくでしょう。

現状のブロックチェーンやEtheruemの課題に対し、G.U.Blockchain Cloudならできる限りの課題解決が可能ですので、是非体験してみてください。ブロックチェーン初心者の方は、是非体験型ブロックチェーンのG.U.Sandbox Chainで人生初めての自分だけのブロックチェーンを体験してみてください。

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