暗号通貨勉強会:Curveハック他

Curveハック、Bitfinexハッカー、中国のビットコイン取引、SBF、留置場に逆戻りなど

暗号通貨勉強会:Curveハック他
Photo by CALIN STAN on Unsplash

■Curveハック

  • Curveの流動性プールがハックされ$61M相当が流出
  • 開発言語Vyperのコンパイラのバグが原因だが、このバグは2021年の12月にリリースされたバージョン3で修正されていた(コンパイルし直すとユーザ全員に新しいバージョンに乗り換えてもらわらければならなかった)
  • この事件で、CurveファウンダーのMichael Egorovが$168M相当のCurveトークンを担保に$100Mのステーブルトークンをローンで借りていたことが判明
  • Curveトークン価格が40%下落したことでローンがリクイデートされる可能性が出て、これを避けるためEgorovは$42M相当のCurveトークンをOTCで売却
  • また、EgorovはCurveトークンの全供給量の50%近くを所有していたことが判明、1ユーザががトークンをそれほどの量所有していいのかとの声が上がる

■Bitfinexハッカー

  • ラッパーのRazzlekhanの夫、Ilya Lichtensteinが、「2016年にBitfinexをハックし Bitfinexから120,000ビットコインを盗み取ったのは自分だ」と自白
  • ダークウェブの元となるShadowCrewマーケットを作りその後セキュリティコンサルタントとして更生したBrett Johnsonから「Ilyaは大馬鹿だ。マネーロンダリングの仕方を見れば、全て根本的に間違っていたとしか言いようがない。サイバー犯罪の基本はまず最初にアイデンティティを盗むこと。Ilyaは自分の名義でキャッシュ化している。しかもプライベートキーも全部クラウドに保存していたし。」とコメントが
  • 120,000ビットコインは、2016年時点では$70Mだったが、昨年逮捕された時点では$4.3Bの価値になっている

■中国のビットコイン取引

  • 暗号通貨取引は違法のはずの中国本土で、Binanceの取引が月間$90Bもあることが判明
  • Binanceは「Binance.comのサイトは中国では利用できないようになっている」と声明
  • 中国では、暗号通貨取引が違法になる前の2017年にBinanceのサイトがブロックされていた
  • Wall Street Journalの記事によればBinanceの取引高で最も多いのが中国、続いて韓国、トルコ、ベトナム、イギリス領ヴァージン諸島となっている

■SBF、留置場に逆戻り

  • SBFの保釈金による自宅在住がキャンセルされた
  • SBFが、Signalを使ってFTX USのトップと連絡を取ったり、 Alameda ResearchのCEOだったCaroline EllisonのGoogle Docsの日記をNew York Timesにリークしたりしていたことが原因

■その他のニュース

  • Terraform LabsのTerra USDは一般の取引所で取引される場合は証券とする判決が下される
  • 米国司法省がBinanceを詐欺罪で訴えることを検討中だが、FTXのような取り付け騒ぎになることを懸念して、罰金等で処理する可能性あり
  • PaypalがステーブルコインのPaypal USDを発行
  • Microstrategyが7月に467ビットコインを買い増し、ビットコインの流通量の0.75%所有へ
  • SECがHexコインのICOは違法だったと訴え。HexはRichard Heartがローンチしたコインだが、Richard Hartはこれ以外にもPulseChain、PulseXの2コインもICO、総計$1B以上を集めていた。そのうち少なくとも$12Mをスポーツカーを買うなど私用に流用したとして詐欺でも訴えられている
  • CoinbaseのBaseチェーンが一般向けにローンチ、暗号通貨価格フィードのオラクルはChainlinkと提携。早速ミームコインのラグプルが起こるが、これはSBFがしたのではないかという噂が出る

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