暗号通貨勉強会:Ethereumのエンドゲームと最近のニュース
2021年12月19日に上記の録音のClubhouseで行った暗号通貨勉強会の内容です。
EthereumクリエータのVitalik ButerinがEndgameと称する論文を12月6日に公開
今後数年間にかけてEthereumに起こる可能性の高いロードマップは
- セカンドティアのステーキングを導入、ブロックを分割して多くの人がバリデータとして参加できるようにして、fraud proofかZK-SNARKsによりユーザが直接ブロックのバリディティが確認できるようにする。この結果「ブロックのプロダクションは中央集権的だが、バリデーションはトラストレスで分散型、ブロックプロデューサーによるセンサーシップへのレジスタンスは高い」という状態になると想定される。
長期的なロールアップ像としては、一つのロールアップが独占的になる可能性と、複数のロールアップが共存する可能性がある
- 一つのロールアップが独占する=Arbitrum, Optimism, Zksync, StarkNetといったロールアップのいずれかが1秒あたり10,000トランザクションといったレベルを処理できるようになり、そのロールアップにユーザが集約される
- 複数のロールアップが共存する=個々のロールアップは数百TPS止まりに終わり、Cosmosのマルチチェーンビジョンに近い状態になり、ユーザーは複数のロールアップの間をジャンプする。この世界では、多数のチェーン・セカンドレイヤーで、同じプレーヤーがブロックプロダクションをするようになる可能性が高い。その場合ブロックプロダクションの中央集権度が上がるのでセンサーシップレジスタンスを高める必要があるがそれは十分可能
- (ブロックプロデューサの寡占化:ブロックプロデューサーに必要とされるスキルは異なるチェーンでも似通っている(=よいOptimismのブロックプロデューサは、ArbitrumやPolygonでもよいブロックプロデューサになれる)のに加え、クロスドメインアービトラージが重要な収入源になる可能性があるため)
こうしたロールアップを中心に据えたイーサリアムの未来像では、イーサリアム自身は何かにコミットする必要がなくフレキシブルに対応でき、アンチセンサーシップ・アンチフロードを提供する強固なベースレーヤーとして大きな役割を果たすことになる。
最近のニュース
NFTのBored Apeが100分の一の価値で売却される
- 先週末に75 ETHで売ろうとしたBored Ape を0.75 ETHで売ってしまった人が出現。米ドルにして$300,000のものを$3,000で売ってしまったことになる。流れとしては、
– 12月11日にうっかりミスで0.75 ETHで売り出し
– ボットがそれを発見しガス代8 ETH($32,000)であっという間に取引を成立させて購入
下記は売ってしまった人のコメント
I list a lot of items every day and just wasn’t paying attention properly. I instantly saw the error as my finger clicked the mouse but a bot sent a transaction with over 8 ETH of gas fees so it was instantly sniped before I could click cancel, and just like that, $250,000 was gone
なお、Bored ApeのNFTは全部で10,000あり、売ろうとしたApeは5月に1 ETH (当時 $2,290)で購入したものだった
SquareがBlockに改称
Bitcoinハードウォレットを出すと7月にアナウンスメントを出している
暗号通貨不正は81%増
Chainalysisの調べでは、2021年のcrypto scam売り上げは81%増で$7.7Bに
Terra躍進
ステーブルコインマーケットキャップ 8.8B がDAI 9.2B に近づく。Terraの仕組みは、独自トークンLUNAを一ドル分バーンしてステーブルトークンUSTをミントする。USTの価格が一ドルを切ったらそれをバーンして一ドル分のLUNAをミントしてアービトラージを取れる、という至ってシンプルなもの。
ステーブルトークンとしては、実際にドル資産を積み立ててその分だけステーブルトークンを発行する(としている)USDT、USDCなどと、ETHなどのアセットを、ミントしたいステーブルトークンの額より多くロックして発行するDAIがあるが、Terraのシンプルさで本当に穴はないのだろうか
FTXがNBAのGolden State Warriorsを$10Mでスポンサーシップ
FTXは現在世界3位の暗号通貨取引所で、昨年の売り上げが$750M、利益が$350M、一日あたり取引高が$16B、今年だけで$1.4B調達。マイアミのアリーナの命名権、大谷選手をスポークスパーソンとして起用もしている。
Craig Wright、勝訴のような敗訴
Satoshi Nakamotoは自分だと主張しているCraig Wrightが、かつて共同で会社を持っていたDave Kleimanの遺族から「Satoshi Nakamotoがマインしたビットコイン $50B相当分の半分をよこせ」と訴えられていたが訴えは棄却された。しかしCraigとDaveが作った会社にCraigが$100M支払うよう判決が出た。