暗号通貨勉強会:米国金利引き下げなど

米国利下げの暗号通貨への影響、Alameda Research CEOの判決、BNYカストディ事業許可など

暗号通貨勉強会:米国金利引き下げなど
Photo by Kenny Eliason on Unsplash

  • 米連邦準備制度理事会(FRB)が9月18日に政策金利を0.5%引き下げ、これを受けてBitcoinをはじめとする暗号通貨価格が上昇
  • シンガポールで行われたToken2049でVitalik Buterinが、暗号通貨は初期段階からユーザビリティ向上へとフェーズが変わった、と発言
  • CoinbaseのBaseのTVLが$2Bを突破、1ヶ月で40%増、年初からは370%増
  • FTCの兄弟会社で自己資金による暗号通貨取引をしていたAlameda Researchの元社長、Car0line Ellisonが2年の実刑判決。さらに釈放後3年間は監視付きで、賠償金として$11.02Bを支払うことを命じられた。FTXの社長のSam Bankman-Friedは3月に25年の実刑判決を受けている
  • Bank of New York Mellon (BNY) に、暗号通貨のカストディ事業を行うにあたり、証券取引委員会から有利な判断が行われた。暗号通貨のカストディでは、SAB121というルールで暗号通貨を市場価値でバランスシートに負債として載せる必要があった。これは他のカストディアセットはオフバランスシートで良いのに比較して不利な条件だったが、今回の判断でBNYはSAB 121の対象から外れることとなり、暗号通貨のカストディが容易になった
  • カマラハリスが「米国でのデジタルアセットのイノベーションを推奨する」と発言、さらに「アメリカはAI、ブロックチェーン、量子コンピューティングなどで世界をリードすべき」とも発言し、暗号通貨業界の一部では安心感を持つ人が出始めたが、「バイデン時代の対応と変わらない」という人もいる
  • ステーブルコインを発行するTrustTokenが証券取引委員会と罰金を支払うことで和解した。これは、TrustTokenが発行したTrueUSDの99%が投機的ファンドに投資されていたにも関わらず、米ドルで全て所有している、としていたため。今回の和解でTrustTokenは$163,000の罰金と、$340,000の賠償金を支払うこととなった
  • Sky(元Maker)は9月17日から19日にかけて行われた投票でWBTCを扱わないことになったが、これを再考中。Tron創業者で問題の多いJustin SunがWBTC発行元のBitGoとカストディに関わることが発表されたことを受けた展開だが、BitGo CEOのMike BelsheがSunはBitGoの重要な経営問題には関わらないと発言したことを受けて再考となったもの
  • 知的財産をオンチェーン化するStory Protocolが$80Mを調達、これまでの総調達額が$134Mになった。独自ブロックチェーンのStory Network上で、リアルな世界のIPと対応するNFTを発行、IPのライフサイクルを管理するもの。ライセンスやリミックスの条件は公開されており、IPから派生した新たなIPにロイヤリティが発生した場合にオリジナルのIPオーナーにも部分的なロイヤリティが入るよう設定できる
  • グローバル送金をステーブルトークンで行うBridgeが$58Mを調達
  • 分散型金融向けオラクルプロトコルとリスク管理を行うChaos Labsが$55M調達
  • これ以外にも46社の米国ブロックチェーン関連企業が8月に資金調達

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ブロックチェーン技術(初級編Ⅱ)

ブロックチェーン技術(初級編Ⅱ)

1.ブロックチェーン業界の現状 現在2021年時点で、Ethererumが爆発的に認知度が高まり、同時にNFTブームを巻き起こしています。日々ニュースやSNSでNFTやDeFiについて、目にしない日はありません。コロナ禍における新たな経済圏としても注目を集めています。そんなブロックチェーンの業界の現状についてみていきましょう。 [決済特化系(目的特化系)について] 基軸通貨としてはBitcoinが1強状態である。理解が進み、Bitcoinが主要な金融人からもその価値を認められつつある。主要なヘッジファンドや年金基金がドルインフレヘッジ手段として投資を開始し、価格が高騰。目的用途以外に利用できない。 [ブロックチェーン インフラ系について] Ethereumがほぼ1強状態である。DeFi(分散金融)が2020年は非常に盛り上がり、2021年にはNFTが爆発的な人気に。インターネットとWebと親和性が特に高く、分散型取引所やゲーム内通貨を想定したマーケットプレースなどの実装も進む。ただし、速度問題が重くのしかかり、手数料も高騰。ゆえにEnterpriseの実装も進まない。 [専用シ

By G.U.Staff
ブロックチェーン技術(初級編I)

ブロックチェーン技術(初級編I)

1.ブロックチェーンとは? ブロックチェーン(Blockchain)とは、暗号技術を使ってリンクされたブロックと呼ばれるレコードの増大するリストである。各ブロックには、前のブロックの暗号化ハッシュ 、タイムスタンプ、トランザクションデータ(一般的にはマークルツリーで表される)が含まれている。(Wikipediaより) 簡単に言えば、信頼できない人が多少紛れ込んでいても、 改ざんすることが難しい、分散共有データベースです。ブロックチェーンを利用すると、今までコストや組織間調整の負荷のために難しかったデータやビジネスロジックの共有が、より安価に、かつ簡単にできるようになります。 近年のウェブとインターネットの飛躍的な発展における情報革命によって、人々のコミュニケーション能力、情報収集能力は有史以来飛躍的に向上しました。 しかしながら、インターネットの機能はまだまだ不完全であり、特に認証、決済、信頼担保等の点において大きな技術的欠陥を抱え、フェイクニュースや詐欺などが横行しています。 そのような中、2007年にSatoshi Nakamotoが発明したとされるBitcoinが登場し、

By G.U.Staff
暗号通貨勉強会:最近の各種ハックなど

暗号通貨勉強会:最近の各種ハックなど

* 20歳のシンガポール人のLamがアメリカ人から$230M相当のビットコインを騙し取り逮捕された。Googleを装い「アカウントがハックされた」と電話して被害者にセキュリティコードを提供させ、GmailとOneDriveで暗号通貨の情報を探しGeminiの口座があることを発見。Geminiのセキュリティチームのふりをして口座がハックされたと電話、被害者に$3Mを送らせる。さらにリモートデスクトップソフトウェアをダウンロードさせ、4100BTCがあるアドレスのプライベートキーを表示させてBTCを騙し取った。共犯者がVPNを使わずにTradeOgreのアカウントを作ったことから住居が判明、そこから足がついた。Lamは31台の高級車を購入、家賃が月々$68,000するような高級住宅を複数賃貸、さらにナイトクラブで一晩に$500,000使うなどしていた * テレビのドキュメンタリー、Money Electric:The Bitcoin Mysteryで、ビットコイン初期開発者のカナダ人Peter Toddがサトシナカモトである、とし、Peter Toddはこれを強く否定するが、殺人・誘拐

By Chika Watanabe

暗号通貨勉強会:VenmoとPaypalがENSサービス組み込み等

* CoinbaseがBaseレイヤー2とEthereum上にトークン化したBitcoin、cbBTCをローンチ * Coinbaseのレイヤー2のBaseのデイリーアクティブウォレットが100万個を突破。30日で71%増加しており、レイヤー2のArbitrum、Linea、Mantleの合計よりも多くなった。Ethereum Name Service (ENS)ベースのBasenamesがトランザクションを増加させており、これまでに20万件のBasenameがミントされた * P2PペイメントのVenmoとPaypalがENSをサービスに組み込み、米国ユーザはENSネームで送金できるようになった * ブロックチェーン上のSNSのFriend.techがローンチ4ヶ月で、スマートコントラクトをバーンアドレスに移管してアップデート終了。Friend.techは2013年の8月にシードラウンドを調達。ローンチ後は$90Mのフィーを集め、フィーの半分はファウンダー等に渡った。一方、発行したトークンはピークから97%下落していた * 2023年の暗号通貨詐欺の被害総額は$5.6Bで、

By Chika Watanabe