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その他諸々ステーブルコイン
これまで2週間にわたって書いた通りステーブルコインは現状アメリカドルに連動しているのが普通なのだが、そうでないものもある。 たとえばDigixGoldは「金連動型」。DigixGoldの発行量に相当する「金の延べ棒」が金庫に積んであり、誰かが「金を買い戻したい」と言ってきたらその金庫から金を出して渡せる。DigixGoldの金庫は、これまでシンガポールに二箇所あったが、さらに2月1日にカナダの貴金属商、 SilverGoldBullとのパートナーシップ [https://medium.com/@Digix/announcement-digix-expands-its-vaulting-locations-into-canada-138d8a095267] の元カナダにも加わった。 ちなみに、金の価値に連動するETF(上場投資信託)も世の中にはあるのだが、意外に歴史が浅くて2003年にはじめてオーストラリアで取引が開始 [https://en.wikipedia.org/wiki/Gold_exchange-traded_product] された。歴史的金相場は結構上下動が激しいので
法定通貨担保型ステーブルコインTether
ステーブルコインシリーズ、とりあえずの最終回は真打ちTether。流通量で見ると、他のステーブルコインが100-300億円程度なのに対し、Tetherは2000億円以上ある。 Tetherはもともと、Realcoinという名前で2014年に発表された。そして2015年に香港の取引所Bitfinexで取引が開始されたが、Tetherの発行会社のTether Holdings LimitedとBitfinexのCEOは同じ人 [https://www.ethnews.com/finding-van-der-velde-a-mission-to-unmask-the-ceo-of-the-worlds-largest-bitcoin-exchange] だったりする。そして、BitfinexはTetherを使ってBitcoinの相場操作をしていたのではないかとするテキサス大学の調査レポート [https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=3195066] も出た。いわく、Tetherの発行分はほぼ全てBitfinexに流れており、B
法定通貨担保型ステーブルコインPaxos
もともと2012年にニューヨーク州の認可取引所、itBit [https://www.itbit.com/] として始まったPaxosによるステーブルコイン。2018年5月にステーブルコイン発行に向け、ベンチャーキャピタルから6500万ドルを調達 [https://www.reuters.com/article/us-crypto-currencies-paxos/blockchain-and-cryptocurrency-startup-paxos-raises-65-million-idUSKCN1IW1RW] 。同年9月にウィンクルボス兄弟のGemini Dollar [https://1t1d.gu.net/2019/01/30/geminidollar/]と 同じ日にニューヨーク州金融サービス局からステーブルコイン発行認可 [https://bitcoinmagazine.com/articles/gemini-and-paxos-both-launch-stablecoins-ethereum-blockchain/] を得た。規制下で発行分の米ドルを保管するERC20トー
法定通貨担保型ステーブルコインTrueUSD
資産のトークン化のためのプラットフォームを開発するTrustToken社が発行したステーブルコイン。Gemini DollarやUSD Coinのように公的機関の認可は受けていないが、監査法人Cohen & Co [https://www.cohencpa.com/]による監査結果を定期的に発表 [https://blog.trusttoken.com/trueusd-attestation-reports-86f693b90a4]している。 TrustToken [https://www.trusttoken.com/] 社は、アメリカドル以外にも、様々な法定通貨をトークン化していくとし、そのロードマップには日本円も入っている。また、法定通貨だけでなく不動産、事業会社など、いろいろな現世界のアセットをトークン化できるとしている。 TrustToken社は、Andreessen Horiwitz等のベンチャーキャピタルから2018年6月に2000万ドルを調達。8月には、ICOプラットフォームのCoinlistで、accredited investor(SECの規定を満たす適格投資家
法定通貨担保型ステーブルコイン Circle USD Coin
USDコイン(USDC)は、クリプトによるP2Pペイメントを行うCircle社が発行するステーブルコイン。Gemini Dollar [https://1t1d.gu.net/2019/01/28/geminidollar] 同様、ニューヨーク州金融サービス局からステーブルコインとして認可されている。USDC発行にあたっては、米国最大の取引所のCoinbaseと協業、 USDCはCoinbaseが取り扱う唯一のステーブルコイン [https://blog.coinbase.com/coinbase-and-circle-announce-the-launch-of-usdc-a-digital-dollar-2cd6548d237] となっている。 Circle社は2013年に創業され、2015年にニューヨーク州のBitLicenseを取得。本社はボストン。2016年までは、ビットコインのウォレットも提供していた。ベンチャーキャピタル等からこれまでに1億3500万ドルを調達している。 Circleの投資家にはBitmainも入っている。2018年には取引所のPoloniexを4億ド
法定通貨担保型ステーブルコインGemini Dollar
大金持ちでオリンピックメダル保持者でもある双子のウィンクルボス兄弟が運営する取引所、Gemini [https://gemini.com/] が発行するステーブルコイン。ウィンクルボス兄弟は、ハーバード在学中にザッカーバーグにアイデアを盗まれたとしてFacebookを訴え、2011年に6500万ドルの賠償金を獲得。これでビットコインを買い巨額の富を得てGeminiを開設、というわらしべ長者のような双子でもある。 Gemini DollarはNew York Department of Financial Services(ニューヨーク州金融サービス局)から2018年9月にステーブルコイン発行の許可を得て [https://medium.com/@yibit/the-new-york-financial-bureau-approved-the-gusd-issue-a9afe6f26b8e] 発行されているERC20トークン。 GUポッドキャスト ep.2:ステーブルコイン [https://soundcloud.com/user-856626211/gucast-episode-2
クリプト担保型ステーブルコインMaker Dai
MakerというDAO (dicentralized autonomous organization)が発行するイーサリアム上のステーブルコインで、1 DAI=1米ドルの価値が続くように設計されている。ERC20トークンで、「ダイ」という名前は、中国語の「貸」から取られている。2017年12月18日に流通開始 [https://medium.com/makerdao/dai-is-now-live-ad87e34fc826]。 現在は、イーサリアムを担保として発行されており、CDP(collateralized debt position)と呼ばれるブロックチェーン上のスマートコントラクトにイーサリアムを送ることで発行される。送ったイーサリアムは、発行されたDaiを送り返すと戻ってくる。つまり、CDPにイーサリアムを「貸す」ことで、Daiを「借りる」ことができる。 現在は、発行したいDaiの価値の150%のイーサリアムをCDPに送らなければならない。つまり、1.5ドル分のイーサリアムをCDPに送ると、1 DAIが発行される。この150%を「担保比率」と呼ぶ。 Daiの価格がUS$
podcast ep.2: ステーブルコイン
2018年12月10日にリリースされたアンドリーセンホロヴィッツ(a16z)のポッドキャストで、a16zのJesse WaldenzとSonol Chokshiが、ステーブルコインのDAI発行元のMakerDAOのCTOのAndy Mileniusと語っている回を聞いた上で、それについて話しました。 元となるa16zポッドキャスト [https://exit.sc/?url=https%3A%2F%2Fa16z.com%2F2018%2F12%2F20%2Fstablecoins-why-matter-what-how-daos-maker%2F] ビットコイン発祥の元となったSatoshi Nakamoto論文 [https://exit.sc/?url=https%3A%2F%2Fbitcoin.org%2Fen%2Fbitcoin-paper] Maker DAIホワイトペーパー [https://exit.sc/?url=https%3A%2F%2Fmakerdao.com%2Fen%2Fwhitepaper]