暗号通貨勉強会:Roninブリッジハック、Terraリザーブ$3Bなど
このブログの内容について話した勉強会の録音は上記に
■Axie Infinityハックのその後
- 人気NFTゲーム、Axie Infinityが利用するRonin Networkへのブリッジがハックされ、173,600 EtherとステーブルコインのUSDCが25.5M(3月29日時点の価格で総額$612M)が盗まれた
- Axie Infinityの開発元のSky MavisはRonin Bridgeの9個のバリデータノードを持ち、うち5つが取引をバリデートする必要があるが、今回のハックでは、Sky Mavis自身が運営するバリデータノード4つと、Axie DAOが運営するバリデータノード1つのプライベートキーが盗まれた
- 3月23日にハックされたが3月29日まで気づかなかった
- 4月6日にSky Mavisは$150M調達。投資家はBinance、a16z、Paradigmなど。この調達と元々Sky Mavisが持っていた資金を合わせて今回のハックで失われた分は全て補填すると発表
- 盗まれた額の多くはまだハッカーのウォレットにある https://etherscan.io/address/0x098b716b8aaf21512996dc57eb0615e2383e2f96
- 一部は4月に入ってからTornado Cashを利用してミックスされたりFTX、Huobi、CryotoComといった取引所に移動されているhttps://etherscan.io/address/0x429a66e7bd829f9453cee5239bfeaf5657a11a3e
■Terra、ステーブルトークンの価格維持ファンドを$3Bにすることを発表
- TerraがステーブルトークンUSTの価格維持のための準備金ファンドの総額を短期的に$3Bまで増やし、長期的には$10Bをゴールとすることを発表
- すでに自社トークンLUNAのプライベートプレースメントで$1B、USTを売却してTetherを買うことで$1.2Bを調達済み(市場価値は3/7時点でTetherが$82B、USDCが$51B、Terra USDが$17B)
- アルゴリズムステーブルトークンのDAIキラーとなる可能性のあるCurveでのリクイディティプール、4poolを発表。主にステーブルコインのリクイディティを提供するCurveには現在3poolと称してUSDT、USDC 、DAIの3種類のステーブルコインが入ったプールがあり$3Bがロックされている。4poolはUSDT、USDC、Trra USD、FRAXの4種類のリクイディティプールでDAIは入っていない。TerraファウンダーのDo Kwonは”By my hand @DAI will die”とtweet
■Tetherの空売り
- 複数のファンドがここ数ヶ月でTetherをショート(空売り)している。Tetherを発行した分のリザーブは、流動性の低いヘッジファンド、リスキーな中国の不動産関係ファンドに投資されているとされる。
- Tetherはステーブルコインで最も流通しているが、その次のUSDコインのリザーブはキャッシュと短期国債のみ。
- Tetherを空売りするコストは年利にして6-8%で、もしTetherが$1 を下回ることがあれば利益が出るという目論見で、一方Tetherが$1を上回る可能性は非常に低いのでショートスクイーズは起こりにくい
■その他のニュース
- Binance USが$4.5Bの企業価値で$200Mをシードラウンドとして調達
- セカンドレイヤーのBoba Networkが$1.5Bの企業価値で$45Mを調達。BobaはOptimismのフォークだが、本家のOptimismは3月に$1.65Bの企業価値で$150Mを調達。4月8日時点でTVL(Total Value Locked)はBobaが$173M、Optimismが$592M
- 1stレイヤーのNearが$350Mを調達(1月にも$150M調達)
- DeFiをターゲットとしたベンチャーキャピタルファンド、DeFiance CapitalのファウンダーのArthur Cheongが$1.6M相当のNFTを盗まれる。アントレプレナーからのGoogle Docsピッチデックに悪意のあるコードを仕込んであった可能性が高い
- BTCの大量購入で知られるエンタープライズソフトウェア企業のMicrostrategyが、Macrostrategyという名前の子会社を設立、Silvergate銀行から$250Mを借入れ、追加でBTC購入(2月末で125,051 BTC保有。1 BTC=$40,000で$5B)
- Bainanceチェーン(BnB)がスケーラビリティ向上のため、アプリケーションごとに異なるサイドチェーンをローンチすることを発表。バリデータはBinanceに承認された21ノード
- Operaブラウザがブロックチェーンを組みこみ「Web3ブラウザ」を目指す。対象はSolana, Polygon, StarkEx, Ronin, Celo, Nervos, Bitcoinなど
- Coinbase、コンプライアンスのため、カナダ・シンガポール・日本で送金の際に送金相手の情報を要求
- 若者向け株式・クリプト取引アプリのRobinhoodがデビットカードを発行、利用した際の端数分をあらかじめ選んだ暗号通貨に投資できる
- MetamaskがWyreと提携、ApplePayで$400まで暗号通貨を購入可能に(下記はiOS Metamaskのスクリーンショット