暗号通貨勉強会:Solanaハック、米司法省による$3.6B回収ほか

暗号通貨勉強会:Solanaハック、米司法省による$3.6B回収ほか

■Solanaハック

SolanaをEthereumと繋ぐWormholeというブリッジのバグが悪用され、$325M相当のEtherが盗まれた。Wormholeは、Ethereum上でEtherをwETHにラップし、それがあることを確認の上Solana上でwETHを発行する仕組みだったが、Ethereum上にwETHがないのに、あると思わせてSolana上でwETHを発行、総額120,000 EtherがEthereumチェーン上に戻され失われた。

Wormholeのバグは1月なかばに判明しパッチが公開されていたが、それをデプロイする前の2月2日にこのハッキングが起こってしまった。このハックでEtherの担保がないwETHがSolana上に出回ったことになり、他のDeFiへの影響が懸念されたが、翌2月3日にWormholeの大株主のJump Capitalが全120,000Etherを補填すると表明して事件は一旦は収束した。

■米司法省がBitfinexハックで奪われたビットコイン$3.6B分の取り戻しに成功

2016年に起こった取引所Bitfinexのハックでは119,754BTCが奪われた。被害総額は当時の相場では$71Mだったが、現在価値にすると$4~5Bとなる。

このうち、$3.6B分を回収したと2月8日に司法省が発表、合わせて米国在住の30代の夫婦が逮捕された。秘密鍵はクラウド上のファイルにあった模様(ただし暗号化はされていた)。

逮捕されたカップルは、ロンダリングのため、数千個のアドレスを保有、複数の取引所にアカウントがあり、さらにWalmartのギフトカード、PlayStationなども使われていた。

また、逮捕されたカップルの妻がRazzlekhanの名前でラップをYouTube等にアップしており、その衝撃的内容から cringe rapper と呼ばれ巷で話題になった。その一方で、サイバーセキュリティ、ソーシャルエンジニアリングについてのスピーカーをしたり、BitGoのコンサルタントだった時期もあるとも言われている。

参考:Two Arrested for Alleged Conspiracy to Launder $4.5 Billion in Stolen Cryptocurrency

The Chopping Block: SBF on a Crazy Week of Bitfinex, Wormhole and ENS Drama

■GamestopとImmutable Xが提携

昨年Redditで集まった一般人が大手ファンドに勝ったと話題になったGamestopが、EthereumセカンドレイヤーのNFTプラットフォーム、Immutable Xと提携、今後NFTを発行するとともに$100Mの投資ファンドも組成すると2月3日に発表して話題になった。

この提携で、Immutable Xは$150M分の自社トークンのIMXをGamestopに段階的に譲与するとしているが、最初に獲得した分と思われる$47M分のIMXをGamestopが即座に売却したことで巷の不評をかった。

ちなみに、Immutable XはZK-STARKs (Zero-Knowledge Scalable Transparent ARguments of Knowledge)を利用しロールアップ、9000 TPSが可能だとしている。

参考:GameStop Forms Partnership with Immutable X

■ジュリアン・アサンジDAOに$56Mが集まる

WikiLeaksファウンダーのジュリアン・アサンジの弁護費用を支払うためのAssangeDAOに17,422 Ether(約$56M)が集まり、憲法のプリントを買うために作られたConstitution DAOを越した。集まった資金のうち16,593Ether(約$53M)分はAssangeのNFT「Clock」の購入に使われ、Assangeに寄付した形となった。

11月にConstitution DAOが発行したPeopleトークンはまだ$390Mの市場価値があり、今回も、ジュリアン・アサンジを救うためではなくAssangeDAOのガバナンストークン、Justiceの投機目的もあった可能性もある。

参考:暗号通貨勉強会:Constitution DAO、Braveウォレット、Solana

■MyCryptoとMetamaskが合併

Metamaskの利用者数は3000万 MAU、800万-900万 DAUとのこと。

参考:Bankless "Will MetaMask Drop a Token? Breaking Down the Biggest Wallet Merge Ever"

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ブロックチェーン技術(初級編Ⅱ)

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1.ブロックチェーン業界の現状 現在2021年時点で、Ethererumが爆発的に認知度が高まり、同時にNFTブームを巻き起こしています。日々ニュースやSNSでNFTやDeFiについて、目にしない日はありません。コロナ禍における新たな経済圏としても注目を集めています。そんなブロックチェーンの業界の現状についてみていきましょう。 [決済特化系(目的特化系)について] 基軸通貨としてはBitcoinが1強状態である。理解が進み、Bitcoinが主要な金融人からもその価値を認められつつある。主要なヘッジファンドや年金基金がドルインフレヘッジ手段として投資を開始し、価格が高騰。目的用途以外に利用できない。 [ブロックチェーン インフラ系について] Ethereumがほぼ1強状態である。DeFi(分散金融)が2020年は非常に盛り上がり、2021年にはNFTが爆発的な人気に。インターネットとWebと親和性が特に高く、分散型取引所やゲーム内通貨を想定したマーケットプレースなどの実装も進む。ただし、速度問題が重くのしかかり、手数料も高騰。ゆえにEnterpriseの実装も進まない。 [専用シ

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ブロックチェーン技術(初級編I)

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1.ブロックチェーンとは? ブロックチェーン(Blockchain)とは、暗号技術を使ってリンクされたブロックと呼ばれるレコードの増大するリストである。各ブロックには、前のブロックの暗号化ハッシュ 、タイムスタンプ、トランザクションデータ(一般的にはマークルツリーで表される)が含まれている。(Wikipediaより) 簡単に言えば、信頼できない人が多少紛れ込んでいても、 改ざんすることが難しい、分散共有データベースです。ブロックチェーンを利用すると、今までコストや組織間調整の負荷のために難しかったデータやビジネスロジックの共有が、より安価に、かつ簡単にできるようになります。 近年のウェブとインターネットの飛躍的な発展における情報革命によって、人々のコミュニケーション能力、情報収集能力は有史以来飛躍的に向上しました。 しかしながら、インターネットの機能はまだまだ不完全であり、特に認証、決済、信頼担保等の点において大きな技術的欠陥を抱え、フェイクニュースや詐欺などが横行しています。 そのような中、2007年にSatoshi Nakamotoが発明したとされるBitcoinが登場し、

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暗号通貨勉強会:最近の各種ハックなど

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* 20歳のシンガポール人のLamがアメリカ人から$230M相当のビットコインを騙し取り逮捕された。Googleを装い「アカウントがハックされた」と電話して被害者にセキュリティコードを提供させ、GmailとOneDriveで暗号通貨の情報を探しGeminiの口座があることを発見。Geminiのセキュリティチームのふりをして口座がハックされたと電話、被害者に$3Mを送らせる。さらにリモートデスクトップソフトウェアをダウンロードさせ、4100BTCがあるアドレスのプライベートキーを表示させてBTCを騙し取った。共犯者がVPNを使わずにTradeOgreのアカウントを作ったことから住居が判明、そこから足がついた。Lamは31台の高級車を購入、家賃が月々$68,000するような高級住宅を複数賃貸、さらにナイトクラブで一晩に$500,000使うなどしていた * テレビのドキュメンタリー、Money Electric:The Bitcoin Mysteryで、ビットコイン初期開発者のカナダ人Peter Toddがサトシナカモトである、とし、Peter Toddはこれを強く否定するが、殺人・誘拐

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